化粧品原材料|植物油脂


アトリエキクで使う原材料は、その安全性と天然素材である事を重視しています。しかし、化学合成品ではないから安全か?というと、不純物も有効成分として残る天然の状態と人工的に純度を高くした精製済み材料では、後者の不純物がない方が酸化等で劣化しにくく原料の成分が安定していると見なされています。そこで、アトリエキクでは、以下の定義に沿った原材料を厳選しています。

  • 材料のすべてにおいて石油由来の成分は使用しません
  • 合成の界面活性剤は使用しません
  • 油脂は各種有機栽培規格、医薬部外品原料規格等、出来る限り安全性の高い規格から選定します
  • 植物(ハーブ類)は自然栽培もしくは無農薬栽培のものを使用します
  • 香りは植物から得られる自然の精油(エッセンシャルオイル)のみ使用します
  • 材料の原産国を明解にします
  • 「郡上の天然水」「酒蔵の井戸水」共に成分調査済みであることを証明します
  • 自家農園で自然栽培した植物、食品は製造前に外部検査機関にて自社の規格にそった安全性を確認します

使用してる天然水
石鹸には欠かす事の出来ない“水”
アトリエキクでは石鹸により水も使い分けています。
主には、白山水系の湧き水・超軟水の『郡上の天然水』を用いています。
そして、『花酵母日本酒シリーズ』はその酒蔵である『布屋|原酒造場(郡上市白鳥町)』の“井戸水”、日本酒と同じ水を使用しています。


油脂の性質一覧
01 | オリーブ油 (オリーブオイル)
オリーブの果実から採取される淡黄色〜淡緑黄色の油脂で僅かに特異な臭いがする。オレイン酸が主成分で平均82.5%含有し、リノール酸、パルミチン酸を含有。オレイン酸が主成分であるため良質の石鹸原料として使用されるほか、皮膚に対しエモリエントな感触を与えるので、各種クリームやマッサージオイル、サンオイル、口紅などに広く用いられる。

02 | コメヌカ油
コメの種子の精米直後のコメヌカから得られる淡黄色の油液で、僅かに特異臭がある。コメ原油は中性脂肪の他に、多量の遊離脂肪酸、ロウ分、ビタミンE、オリザノール、ステロールなどの有効成分、微量のリン脂質、糖脂質、金属などを含有する。脂肪酸の成分は主にオレイン酸、リノール酸、パルミチン酸である。空気や熱に対して比較的安定しており、コメヌカ油中のオリザノールが紫外線を吸収して皮膚を保護する効果がある。コメヌカ油脂肪酸はオレイン酸が多く、コメヌカ油から製造した石けんは水に溶けやすく、洗浄力がすぐれ、家庭用洗剤として使用されている。欧米では天然のサンスクリーンオイルとして使われている。

03 | ゴマ油(セサミオイル)
ゴマの種子から得られる油である。オレイン酸、リノール酸が主催分である。その他、セサミン、セサモール等のゴマリグナンを含む。セサモールは抗酸化生が強いのでゴマ油はリノール酸が多いにも関わらず安定性が良い。他の植物油と同様にエモリエント生を有することから、各種のクリーム、マッサージオイル、軟膏等に用いられる。

04 | アーモンド油(スイートアーモンドオイル)
ヘントウ油とも呼ばれ、扁桃の核仁より採取される無色〜淡黄色の油脂である。アルモンド油はオリーブ油と同様、オレイン酸が主成分で80%前後含まれているが、オリーブ油に比較してやや不飽和脂肪酸が高く、融点は相当低い。エモリエント効果が高く石けん、各種クリーム、サンタンオイルの原料に使用される。

05 | アボカド油(アボカドオイル)
ワニナシの果実から得られる淡緑色〜暗緑色の油脂である。ワニナシは熱帯地方で広く栽培されている常緑喬木である。オレイン酸、リノール酸など不飽和油脂肪酸が多く、そのほか、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸やビタミンA,B,D,レシチンを含む。表皮に容易に浸透し、エモリエント効果を与えるので、各種クリームに使用される。

06 | マカデミアナッツ油
オーストラリア原産の常緑の中高木のマカデミアの種子を圧搾して得られる油脂である。オレイン酸が主成分であるが、植物油には珍しくパルミトレイン酸が多い。パルミトレイン酸を含有しているので感触に優れている。クリーム、乳液など基礎化粧品の油性成分として使用される。サンタンオイルや口紅、頭髪用化粧品のトリートメント剤などにも使用される。

07 | ヤシ油(ココナッツオイル)
ココヤシの種子より採取される油脂で、冬季は白色〜淡黄色の固体となり、火気には無色〜淡黄色の液体と成。ヤシ油の構成脂肪酸はラウリン酸が最も多く、次いでミリスチン酸、パルミチン酸、カプロン酸が含まれている。ラウリン酸が多いために、ヤシ油から製造される石けんは、冷水に良く溶けて泡立ちの良い特性を持つ。そのため牛脂と共に石けん、シャンプーの基本基材原料に使用される。ヤシ油はまた還元して高級アルコールとし、洗剤の原料にも使用される。

08 | パーム油
アブラヤシの果肉を圧搾して得られる無色〜赤黄色の液体〜固体の油脂である。脂肪酸組成が牛脂と似ており、植物性油脂肪酸の供給源として重要性が増してきている。石鹸の原料として使用した場合、ヤシ油に比べての持続性がよく、皮膚に対する刺激も弱い。

09 | ヒマシ油
トウマゴの種子より採取される無色〜淡黄色の油脂で、わずかに特異な臭気と味がある。ヒマシ油はその主成分が85〜95%含まれるリシノール酸であるため、他の油脂と異なり粘稠な液体であり、エタノールに溶解するなどの特性を生かして、エタノール含有の多いヘアトニックに使用される。また、顔料の分散材として口紅にも使用される。またモクロウと共にポマードの重要な原料である。

10 | 月見草油
メマツヨイグサまたはその他の同属植物の種子から得られる淡黄色の透明の油脂である。北米原産で、古くからインディアンが野生のものを用いて、その抽出液を皮膚の炎症や発疹に塗ったり、飲んでぜんそくの咳を鎮めたり、感染を防いでいた。月見草油中に存在するr(ガンマ)-リノレン酸は、皮膚脂肪の防御機能を増大させ、保護膜のように皮膚を守り、保湿作用にすぐれ、アレルギー症状に効果があると言われている。石けん、化粧水、乳液などのほか、メイクアップ化粧品に使われる。シャンプー、リンスにも用いられる。

11 | ローズヒップ油
野生のバラ科の一種。その実にはビタミンCが豊富に含まれているので、食用されているほか、風邪に効くと言われている。リノール酸、リノレン酸を多く含んでいることから、細胞組織の賦活化が期待され、日焼けや色素沈着を沈静化する。水分保持、小ジワの手入れ、加齢による皮膚の老化の抑制などの美容効果があり、オイルエッセンスの油性成分、クリーム類、乳液のエモリエント剤などに広く利用されている。

12 | ククイナッツ油
ククイ(トウダイグサ科)の種子から得られる淡黄色の透明液体である。ククイはハワイに自制する落葉樹で、ククイのミは繊維質と外皮とかたいで覆われ、その皮肉は油脂を豊富に含んでいる。ククイナッツ油はハワイでは昔から、日焼けに寄る炎症を鎮めるのに用いている。主成分はオレイン酸、リノール酸、リノレン酸であり、必須脂肪酸を70%も含むので、健康食品の油剤にもなる。皮膚に良く浸透し、ドライスキンを柔軟にする効果があり、美容オイル、クリーム、乳液、サンケア製品、メイクアップ製品に使用される。
ヘアトリートメント、シャンプーなどにも応用できる。

13 | ルリジサ種子油 (ボリジシード油)
ルリジサ(ボラージ草)の種子から採った油で、月見草の2倍のγーリノレン酸(GLA)が豊富である。 GLAは皮膚の炎症を抑える働きのある脂肪酸で、アトピーの症状を緩和する物質として注目されている。化粧品にはバリア機能の強化、TEWL(経表皮水分蒸発散量)の減少などの効果を目的として配合される。

14 | オーガニックアルガン油
アカテツ科アルガンの樹木・実から抽出したオイル。アルガンの木はモロッコ南西部地域のサハラ砂漠に自生し、数年間一滴も雨が降らなくても枯れないという強靭な生命力があるうという。根は地表から100m下の水分を探り出し、葉は空気中の水分を吸収することができる。オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸を多く含有しオリーブオイルの4倍ともいわれるほどビタミンEも豊富に含む。肌を乾燥から守る効果、老化を防止する効果などがあり、若返りのオイルとも言われている。

15 | ブドウ種子油(グレープシード油)
ブドウの種子から搾油したものを精製した油脂である。リノール酸、オレイン酸を主成分とするが、ほかの植物油と比較してビタミンE(トコフェノール)含有量が高いので参加に対して安定した油である。皮膚を健康な状態に保ち、非常に軽い感触でさっぱりしているので、エモリエント剤としても広く使用されている。

・バター類
16 | シア脂(シアバター)
シアの種子から得られる白色〜淡黄色の塊の脂肪である。シアは樹高が15Mにもおよぶ喬木であり、中央アフリカに広く分布している。主成分はオレイン酸、ステアリン酸である。シア脂は皮膚炎や皮膚過敏症を防ぐ効果がある。またバスサム様の芳香をもち、融点が28℃〜45℃と低く、ヒトの体温でも融解する性質に加え、低粘度で潤滑生、拡散・浸透性にすぐれ、かつ香料の保留生が良好であることから、広く化粧品に使われている。

・ロウ類
17 | ホホバ種子油(ホホバオイル)
ホホバ油を異性かしたイソホホバはcis体とtrans体の比率から、白色半固体と固体(融点35℃〜50℃)がある。滑らかでリッチな感触で、保質例をもたらす。エモリエント剤として各種化粧品に使用される。

参考文献:
[化粧品成分用語辞典2008(中央書院)][美容の医学美容皮膚科学事典(中央書院)]
[日本メディカルハーブ辞典(東京堂出版)][植物オイル・ハンドブック(東京堂出版)]